샬롬
東京・地方格差の元凶は
アメリカの大リーグでは3年連続最下位のタンパベイ・レイズがワールドシリーズに進出して話題になった。一方、日本では今年で市民球場が閉鎖される広島カープがクライマックスシリーズ入りを期待されながら、11年連続のBクラスで終わった。
何がこの差を生むかというと、アメリカではドラフトが完全ウェーバー制(前年の下位に優先権)でレイズは毎年のように有望選手が獲得できる。それに対し日本ではいまだそれが導入されず、つい最近までは逆指名などという制度で、むしろ金満球団のほうにいい人材が集まっていた。
フリーエージェントにしてもアメリカでは、カープのように一度もその恩恵にあずかれないチームがないように、チームの収入格差調整のシステムがしっかりしている。放映権のリーグ一括管理や収益分配制度、そして年俸総額が一定額を超えた場合の課徴金制度などがそれだ。
これがプロ野球だけの話であれば、人々の生活に大きな影響を与えるわけではない。格差の大きさが不愉快ならば見なければいいし、現に視聴率を見る限り、日本の野球人気は低落傾向にある。
しかし、これと同様のことが、地方と大都市(とくに東京)の格差の元凶になっているように思えてならない。
メディアの偏在も悪影響
野球の世界でもアメリカ型の戦力均衡の声が地方からあがらないのは、東京にマスメディアが集中し、東京の考えに染められているからだろう。同様に東京にメディアが集中しているため、東京の論理で政治が進められる。
派閥が実質解体して、地方に有力政治家がいなくなったことは措(お)くとしても、東京のメディアに受けのいい人間しか首相になれなくなったため、小泉政権以降すべての首相が子供のころから首都圏で教育を受けた人間になった。
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